− 研究報告書DB − 
報告書順表示 テーマ別表示 検索画面へ


【報告書順表示】  ←前を表示  次を表示→  この中を検索

テーマ名昇順または降順でソート可能研究概要
1【2016年報告】
低温排熱用スターリングエンジンの理論的側面からの理解と実現可能性に関する検討
工場などから排出される低温排熱を利用して
電気エネルギーを作り出す低温排熱用スターリ
ングエンジンは,低炭素社会の実現に貢献する
技術であり,県内企業においても実用化に向け
て開発が進められている。スターリングエンジ
ンは内部の作動ガスの熱力学的変化を利用して
動作する。従って出力向上には運転中の作動ガ
スを最も効率の良い状態に近づけることが重要
となる。そこで本研究では,最初に開発中のス
ターリングエンジンについて熱力学や伝熱工学
などの理論的側面から検討し,理想的な運転状
態とそのときの理論的な出力について検討する。
次に,運転中のエンジンの内部状態を実測する
実験装置を作成し,理論からの乖離を調べ,装
置性能向上の方向性を明らかにする。
2【2016年報告】
センシング技術の農業分野への応用に関する調査研究
農業では高品質安定生産のために気象条件や
生育状況に応じた細かな栽培管理が重要である
が,生産者の経験やカンに基づいた作業管理が
されていることが多い。そのため生産者間での
生産性や品質に大きな差が生じ,規模拡大や新
規参入の抑制要因となっている。また,工業分
野では産業用ロボットなどの普及により生産工
程や出荷調整工程の自動化が進んでいるのに対
し,農業分野においては稲作で一部機械化され
ている工程もあるが,多くは人の手によって管
理されている。
そこで,本調査研究では工業分野で普及して
いるセンシング・画像処理技術を農業分野へ応
用し,生産技術のデータ化および生産工程など
の自動化に関する市場の動向,技術動向,そし
て自動制御装置開発に向けた技術課題とその対
策についての調査を行った。
3【2016年報告】
ビデオ伸び計による変位測定
材料試験機を使って試験片の引張試験を行う
際,耐力などの測定をするために試験片の変位
を伸び計で測定することがある。引張試験でよ
く使用する伸び計として,接触伸び計とビデオ
伸び計が挙げられる。
接触伸び計は図1 に示すように試験片に直接
取り付けるもので,試験片の伸びを精度よく測
定することができる。しかし,伸び計の破損を
防ぐため,試験片が破断する前に取り外す必要
がある。一方,ビデオ伸び計は図1 右に示すよ
うに試験片の標点の間隔をビデオカメラで測定
するものである。非接触で変位を測定するため
接触伸び計に比べて一般的に測定精度は劣るが,
ゴムや薄板など接触伸び計では測定が困難な試
験片の変位を破断まで測定することができる。
さて,引張試験を行う際,事前に伸び計の変
位の測定精度を確認したいことがある。接触伸
び計については,校正器と呼ばれる器具に伸び
計を取り付けて,校正器で与えた変位と伸び計
の指示値を比較することによって精度を確認す
ることができる。しかし,ビデオ伸び計につい
ては,ビデオカメラが材料試験機に固定されて
いるため,校正器を使った変位の測定は困難で
ある。このため,接触伸び計,ひずみゲージ,
ビデオ伸び計の測定データを比較した事例が報
告されている1)。
ここでは,ビデオ伸び計の精度を現場で簡易
的に確認するため,材料試験機のクロスヘッド
変位の変化量だけ標点距離が変化するジグを使
って,ビデオ伸び計の精度を簡易的に確認した
事例を紹介する。
4【2016年報告】
人工光レタス栽培における反射材が光強度と生育に与える影響
天候に左右されず,栽培条件を制御することが可
能な完全人工光植物工場が注目されている。その一
方で,導入時の初期コストや生産コストが高いこと
が課題となっている。栽培環境要素のひとつとして,
光環境がある。従来は蛍光灯を光源として用いてい
たが,近年では長寿命で省電力なLED に置き換わ
ってきた。省電力効果や光利用の高効率化を求めて,
LED の波長がレタスの生育に及ぼす影響について
の報告がされている1-3)。現状では,LED の光が栽
培領域から漏れ,植物に利用されていない光がある。
そのため,反射材を利用することで,光の効率的な
利用やLED にかかる電力の削減につながると考え
られる。
しかし,LED の光を有効に使うために反射材を
利用した栽培の報告例はみられない。本研究では,
LED 照明の効率的な利用を目的とした,反射材の
設置による光環境の変化およびレタスの生育に及ぼ
す影響について検討した。
5【2016年報告】
熱音響機関に関する調査研究
熱音響機関は,工場の未利用熱や太陽熱から
音波を発生させ,これを電気や冷熱に変換して
有効活用する技術である。細いパイプの束(蓄
熱器)の両端に温度差を与えると,中の気体が
膨張・収縮してパイプ内を移動し,温度差があ
る一定以上になるとこの動作が繰り返され,気
体の移動が振動源となって音波が発生する。こ
れを電気に変換したり冷熱として取り出したり
して,有効利用できることがわかってきた1)。
本研究会は,熱音響機関の実用化を目的とし
て,啓蒙普及のための講演会を開催し,技術動
向や県内企業の動向を調査した。また,高熱か
ら音波を発生させ,これを冷熱に変換する熱音
響冷凍機を実用化するため,適した用途を考え
公募事業に提案した。
6【2016年報告】
チタンアルミ合金の切削加工技術開発
チタンアルミ合金は,比重が4 程度とNi 基超
耐熱合金の約1/2 であるにもかかわらず同程度
の高温強度を有していることから,近年航空機
エンジン用素材として注目されている。しかし,
低熱伝導率,低延性,工具材料との化学的親和
性が高いなどの性質も有していることから難削
材料として認識されている1)。その適用拡大を
図るためには,チタンアルミ合金の効率的な加
工方法を確立することが重要である。
本研究では,「戦略的基盤技術高度化支援事
業」において,環境対応型先進UAV 用ターボ
ジェットジェネレーターのタービンブリスクに
チタンアルミ合金を適用することを目的に,そ
の製作に必要となる小径ボールエンドミルによ
る高能率・高速・高精度切削加工技術の開発を
目指した。
7【2016年報告】
ヌープ硬さ試験について
一般に,ビッカース硬さ試験機は圧子を付け
替えることにより,ビッカース硬さとヌープ硬
さの両方を試験することができる。これら二つ
の試験によるくぼみを図1 に示す。ビッカース
硬さのくぼみは正方形で,ヌープ硬さのくぼみ
は細長いひし形になっていることが分かる。ヌ
ープ硬さのくぼみの長手の対角線長さはビッカ
ース硬さのくぼみの約3 倍と長く,硬さの変化
に敏感である。さらに,ヌープ硬さのくぼみの
深さはビッカース硬さのくぼみの約1/2 と浅い
ため,ビッカース硬さに比べてより表面に近い
部分の硬さの評価に向いている1)。
ここで,ヌープ硬さはビッカース硬さに近い
値をとることが知られているが,実際に比較し
たデータがほとんどない。このため本研究では,
ビッカース硬さ基準片をビッカース硬さとヌー
プ硬さで比較試験して,両者の関係を調べた。
8【2016年報告】
超高張力鋼板加工技術の開発
自動車の軽量化は燃費向上を図るうえで最も
重要な技術課題であり,その解決策のひとつと
して高張力鋼板の採用が進められている。近年
では引張強さが1,000MPa を超える超高張力鋼
板を自動車部品に適用する例も見られるように
なったが,超高張力鋼板が延性に乏しい難成形
材料であることから,その適用部位はまだ限定
的である。また,超高張力鋼板は成形性を向上
させるために金型を高温にする温間・熱間プレ
ス成形にて加工することが多く,その場合には
設備や加工時間が問題となる。
このような背景のもと,本研究では(株)野
島製作所の強みであるプレス成形技術を高度化
し,軽量化への提案に繋げることのできる超高
張力鋼板を用いたシートフレーム部品の冷間加
工技術の確立を目指した。
9【2016年報告】
炭素化繊維利用に関する調査研究
綿,レーヨンなど汎用繊維を炭素化させた
「炭素化繊維」は,比表面積が大きく優れた吸
着性能や導電性,電磁波シールド性など様々な
特徴を持つことが知られている。また,炭素化
後も繊維の特徴である軽量・柔軟性を有するこ
ともメリットの一つである。昨年度は吸着性能
や電気二重層キャパシタへの適用について調査
研究を行ったが1),今年度も引き続き行うとと
もに新たに県内企業からニーズの高かった電磁
波シールド材への適用について,技術動向や課
題,適用の可能性について調査研究を行った。
10【2016年報告】
精密微細加工技術の分析分野への応用に関する調査研究
マイクロ加工を応用した微細なマイクロ化学
チップによって,これまで複雑で手間のかかる
化学分析を安価かつ短時間に行うことのできる
μ-TAS(マイクロタス,Micro Total Analysis System)
あるいはLab-on-a-chip と称される分析手
法が実用化の段階に差し掛かっている。
そこで本調査研究では,精密微細加工技術を
応用した分析装置に関する@講演会開催による
情報提供,A技術動向と企業における技術課題
の調査,B加工実験などによる要素技術の蓄積
を行い,県内企業の高付加価値分野への参入を
促すとともに,共同研究や公募型研究事業への
研究課題の提案をすることを目的に活動した。

←前を表示  次を表示→