研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.41
 

報告書年度:

2012
 

研究種別:

ものづくり技術連携活性化
 

テーマ名:

質感エンジニアリング研究会報告
 

副 題:


 

担当者:

(下越技術支援センター)阿部 淑人、橋詰 史則
(研究開発センター)中部 昇
 

抄 録:

本研究調査では製品や部材の付加価値向上に資するため,(i)機能性や信頼性あるいは価格,短納期などの産業価値以外の感性価値のうち特に質感をどのようにして向上すればよいか,(ii)目標とする質感表現を実現するためにどう設計し,(iii)どう製造すればよいか,(iv)どう検査すればよいかという問題を設定し,昨年までの感性工学研究会の調査に引き続き,技術調査と事例研究そして技術啓蒙を行った。
性能・信頼性・価格による差別化が困難となってきた現在では意匠性,質感などの感性価値の向上が製品や部材などの付加価値の向上につながるひとつの切り口であると考えられる。しかし,デザイナーやユーザーが好ましいとする意匠や質感を的確に示し,製造者とその双方が正しく理解し合うことは困難である。そして製造業者がそれを製品や部材として実体化することができなければ付加価値向上には繋がらない。正確に質感を伝え合える情報が必要であり,その情報に基づいて製造条件を導き出し製造する仕組みや,出来上がった製品の質感を測定する仕組みが必要である。この研究会では,どういうデザインの商品が売れるかとか今年の流行色は何かというデザイナーやユーザーが関与する嗜好の話題には積極的には取り組まず,指定された高意匠性あるいは高質感の製品や部材を設計,製造する際のメーカーの課題解決に関する話題について取り組んでいる。機構部品の強度に関して目標値と許容誤差範囲があるように,意匠性や質感にも目標値と許容誤差範囲が存在し,所定の意匠性や質感を得るための製造パラメータの管理・制御が不可欠である。まずは,製造した結果としての質感についての計測やデジタル表現の実現を目指し,続いて原因となる製造条件へのフィードバックの実現を目指す。
質感を有する製品の製造における現在の状況は,新潟県内企業に限ったことではなく多くの国内企業では以下のような状況であると言われている。例えば機構部品の設計製造において,現在ではCADやCAMなどのシステムが普及し正確なデータで構造が表現できるために寸法や形状の情報交換で間違いの入る余地は少ない。ところが従来はモックアップ(試作見本品)や三面図だけを渡されて同じように作ってくれという話が横行していた。官能評価に重きが置かれてきた質感製品について日本においては現在もそれと同じ状況が続いてこのままでは世界に遅れをとってしまうという危惧がある。例えばDIN6175-2,ASTM E2194などの客観的なデータで質感を表現すれば機構部品と同様に数値で設計値の情報交換ができるが,多くの場合にはそれには至っていない。外観の設計製造にも機構の設計製造と同じように数値管理が出来る状況をつくりたいというのが本研究会の趣旨である。
以降の章では,動向調査の結果と関連技術の概要について述べた後,全体をまとめる。
 

緒 言:


 

資 料:

調6 質感エンジニアリング研究会報告.pdf(約242.09 Kバイト)