研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.34
 

報告書年度:

2005
 

研究種別:

実用研究
 

テーマ名:

高窒素Niフリーステンレス鋼の加工性向上及び製品実用化に関する研究
 

副 題:


 

担当者:

三浦 一真(県央技術支援センター)
丸山 英樹(    〃     )
天城 裕子(    〃     )
田村 信(県央技術支援センター加茂センター)
 

抄 録:

(独)物質・材料研究機構が研究している高窒素Ni フリーステンレス鋼(Fe-24%Cr-2%Mo-1%N)は強度や耐食性に優れている反面、加工が難しく、現状材では製品化が困難である。そこで本研究では、窒素を含有する前(フェライト組織)の状態で薄板状に成形し、その後窒素吸収熱処理させることで組織をオーステナイト化し加工性の向上を図った。厚さ1mm の薄板について加工性評価(コニカルカップ試験)を行ったところ、D 値はSUS430 と同等の絞り加工性を確認した。また、圧延を繰り返すことで1mm 厚の板材から微細な組織を持つ約0.2mm 厚の薄板の試作に成功した。
 

緒 言:

(独)物質・材料研究機構が開発した新しいオーステナイト系ステンレス鋼は、 Ni を含まないフェライト系ステンレス鋼に高濃度の窒素を吸収させたもので高窒素Ni フリーステンレス鋼と呼ばれている。機械的強度のひとつである引張強伸度をSUS316 と比較した場合、強度は1.4 倍で、伸びは2 倍以上と強く、耐食性についても、海水中でのすきま腐食や孔食に非常に強く、非磁性で生体適合性にも優れていることから、医療分野においてSUS316 が使われている部分の代替として期待されている。
高窒素Ni フリーステンレス鋼は、窒素ガスを充填した加圧容器内で溶解母材を消耗電極として再溶解するESR(Electro Slag Remelting)法により製造されるが、高コストであり、固溶したNは加工硬化により硬度を増すため、高濃度の窒素を添加したインゴットからの加工は非常に難しく、この製造技術は未だ確立していない。この問題を解決する方法として成形加工と窒素吸収処理を組み合わせた製造技術がある。我々は窒素を含有する前のフェライト組織の状態で薄板成形し、その後窒素吸収処理させることで組織をオーステナイト化した薄板を試作し、絞り加工性を評価した。また、この板の金属組織をSUS304、SUS430 など、汎用ステンレス鋼と比較することでこの材料の製品適用性について検討した。
 

資 料:

高窒素Niフリーステンレス鋼の加工性及び製品実用化に関する研究.pdf(約847.65 Kバイト)