研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.26
 

報告書年度:

1997
 

研究種別:

共同研究
 

テーマ名:

レーザー利用によるハードディスク表面検査の高速化に関する研究(第3報)
 

副 題:

微細不規則表面によるインコヒレント散乱光の散乱角度分布について
 

担当者:

稲村 正(研究開発センター)
野中 敏(〃)
長谷川 直樹(〃)
 

抄 録:

 微細な不規則表面をもつ完全導体にレーザを入射させたとき観測されるインコヒレント散乱光の角度分布を解析した。不規則表面としてガウス・ランダム表面を取り上げ、入射波は平面波とした。表面は一様等方であるとし、そのスペクトル密度にガウス形を仮定した。解析は、入射表面の面粗さ及び相関長、入射波の偏光状態及び入射角を変えて行った。その結果、比較的強い散乱を示す方向は主に入射波の偏光状態と入射極角に依存すること、またその散乱強度は主に面粗さと粗面の相関距離に依存することが分かった。
 

緒 言:

 現在使用に供している検査装置は非検査ディスク面にレーザを照射し、その散乱光の広がり方によって面上の異物や欠陥の有無を検査するものである。散乱光はディスク面への鉛直線から比較的に狭角の方向と広角の方向でのみ検出している。例えば、「ピット」と呼ばれる微小な凹みは、その周縁部にレーザが当たると比較的狭角の方向にレーザを反射する(狭角散乱)。また、異物粒子はレーリ散乱などにより大きな立体角をもってレーザを反射する(広角散乱)。検査装置はこのような知見に基づいて検出系を組み立てている。しかしその配置は経験的に決めたもので必ずしも最適ではない。
 そこで、
(1)異物・欠陥に対して検出用光学系を最適にする。
(2)散乱光の角度分布からより多くの情報を取り出し、欠陥や   異物の同定を行う。
これらを目的としてこの研究を進めてきた。
 ここでは、ランダムな微細形状にレーザを入射させた時、そのインコヒレント散乱光(正反射光以外の散乱光)がどのような角度分布をなすか数値解析によって調べたので、これについて報告する。ここに言うランダムな微細形状とは、入射光の波長程度の大きさの微小な欠陥群や異物表面を模擬したもので、その表面は、
(1)完全導体である。
(2)ランダム性において一様等方である。
(3)表面形状のスペクトル密度はガウス形である。
ことを仮定した。
また、入射波は平面波とした。
 

資 料: