研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.33
 

報告書年度:

2004
 

研究種別:

共同研究
 

テーマ名:

医療用CO2レーザの中空ファイバ導光システムと
周辺装置の開発

 

副 題:


 

担当者:

本間 正士(株式会社ニーク新潟研究所)
大川 斉(〃)
丸山 英彰(研究開発センター)
長谷川 雅人(〃)
中川 昌幸(〃)
 

抄 録:

医療用CO2レーザ装置において、多関節ミラーによるCO2レーザ導光路に代わり、中空ファイバによる導光路を適用することによって、製品の高付加価値化を図ることを目指して研究を行った。中空ファイバによるCO2レーザの伝送特性を明らかにするため、CO2レーザの中空ファイバへの入射条件、ファイバ長さ、曲げによる伝送損失を測定した。その結果、ファイバ曲げによる損失を、曲げ半径、曲げ角度をパラメータとして数式化した。また、治療を行う際に医師が操作するアタッチメントの光学系について集光特性を調べた。さらに、実用化のうえで非常に重要な問題となる安全対策に対応するため、赤外線センサを用いた中空ファイバの折れ検出方法について検討した。
 

緒 言:

 医療に使用されるレーザ光源は、その適用対象によって最適な波長が選択されている。現在、多く使用されているものとして、ルビー、アルゴン、YAG、CO2などがある。CO2レーザは波長が10.6μmの赤外光で、水に対する吸収率が非常に高く皮膚等への照射における低侵襲性や、レーザメスで知られる止血効果など優れた特徴を持ち医療分野に広い適用範囲をもっている。
 現在、様々な医療用レーザ装置が実用化されているが、その操作性、メンテナンス性、コスト面での優位性から、YAGレーザ、半導体レー
ザ等では導光路として光ファイバを用いるものが主流となってきている。しかし、CO2レーザは石英に対する吸収率が非常に高いため、石英コアの光ファイバで導光することができず、多関節ミラーの反射を利用した導光路を用いた装置(図1)が依然広く使われている。
 一方、石英ファイバで導光出来なかったレーザに適用できるファイバとしてコアが中空の中空ファイバが開発された。これは、ガラスキャピラリーチューブの内面に銀鏡反応により銀皮膜を形成したものであり、その表面での反射により光を伝送するものである。この中空ファイバでは、コアの材質による吸収損失がほとんどなく、入射端面でのフレネル損失も起こらない。しかし、コアの屈折率がクラッドよりも低いため、石英ファイバにおける全反射による伝送と異なりファイバ内径面で損失を伴う伝送となる。ここで、コア・クラッド境界における反射率を高めること、つまりファイバ内径面での反射率を向上させることにより高効率な伝送が可能になっている。
この中空ファイバのCO2レーザ伝送特性は、東北大学宮城教授、松浦助教授らの過去の研究1)、2)で検討がなされており、実用上問題ないレベルの伝送効率を示している。しかし、中空ファイバによるレーザ光の伝送では、コア・クラッド界面における全反射を利用した石英ファイバに比べ損失が大きく、その特性について実験的に詳細に検討した報告がなかった。
 以上の点から、本研究では、医療用CO2レーザ装置に中空ファイバを適用するための基礎データとして中空ファイバの伝送特性を実験的に調べ、併せて周辺装置の開発と安全対策の問題について検討した。 
 

資 料:

共同2−医療用レーザ.pdf(約92.25 Kバイト)