研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.25
 

報告書年度:

1996
 

研究種別:

戦略技術開発研究
 

テーマ名:

超塑性加工技術の開発研究(第2報)
 

副 題:


 

担当者:

渡部 豈臣(研究開発センター)
坂井 修(〃)
山崎 栄一(〃)
北澤 真(特別研究員)
 

抄 録:

 超塑性鍛造技術を利用してチタン合金製理容ハサミの試作を行った。使用した材料は、β−rich α+β型Ti合金のSP700である。超塑性圧縮試験を行い最適な加工温度を調べた。その結果、加工温度を800℃とし、超塑性鍛造による成形試験を行った。鍛造されたワークは金型形状を精度良く、精密な部分まで転写したものであり、1工程で成形することができた。刃部の硬化については、溶体化&時効処理、レーザ熱処理を試みた。延性を損なわずにHv500程度まで硬化することができた。また、実用的な加工機として小型超塑性鍛造を開発した。
 一方、超塑性ブロー成形については、板厚減少が大きいという欠点を補う加工方法としてプラグアシストブロー成形を行った。その結果、板厚変化の比較的少ない、優れた形状精度を有する成形品を得ることができた。
 

緒 言:

 チタン合金は軽量・高強度・高耐食性・優れた生体適合性・振動減衰性など構造材料として非常に優れた特性を有するため、分野を問わずチタン合金使用の製品に対するニーズがある。しかし、難加工材であるため製品化が難しいのが実状である。このような問題を解決するには、超塑性加工技術の導入が不可欠である。超塑性加工は、タービンディスクやブレードなどの複雑形状品を低加工力で最終形状に近い形まで成形できる。しかも超塑性が起こる材料であれば難加工材でも容易に成形でき、高付加価値製品の創出或いは工程短縮等の効果が期待できる。反面、成形に時間を要する、金型・加工機などの設備が高価であるなどの理由から、その実用化は航空・宇宙産業などの特殊な産業分野に限られていた。最近では、時計、スポーツ用品などの一部の民生品において、超塑性加工が実用化され、徐々に身近な加工技術になりつつある。
 しかし、個々の製品に対する加工技術のノウハウ・設備コスト・生産性などの問題から、他の分野へ普及が進まないのが現状である。そこで、本研究では超塑性加工技術の実用化を目的としてチタン合金の超塑性鍛造とブロー成形に取り組んだ。超塑性鍛造については理容用ハサミなどの精密な複雑形状品への適用を試み、併せて製品化に不可欠な周辺技術であるチタン合金の硬化方法について検討を行った。また、設備コストの観点から実用的な小型超塑性鍛造装置を開発した。ブロー成形については、高品位成形のための成形法を検討したので報告する。
 

資 料: