研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.38
 

報告書年度:

2009
 

研究種別:

企業等技術課題解決型受託研究(ミニ共同研究)
 

テーマ名:

たて糸インクジェット捺染織物の開発支援
 

副 題:


 

担当者:

渋谷 恵太(素材応用技術支援センター)
 

抄 録:

たて糸捺染装置により染色を行ったものを製織した結果、黄変は問題なかったが、染色は発色がより鮮明であることが望ましく、染色堅ろう度と柄ににじみ、捺染面裏側への色透り関しては概ね良好であった。
 

緒 言:

たて糸捺染は捺染(プリント染め)の一形態であり,製織用のたて糸に対して捺染を行う方法である。布帛に対して捺染を行う一般的な方法と異なり,たて糸捺染は糸の密度が疎な状態で捺染を行うため捺染面の裏側まで染料が行き渡り,製織後の織物は表裏が同じ色柄に仕上がる。これは一般的の捺染品にはない特長である。たて糸捺染織物の一例としてほぐし織がある。これはごく粗く緯入れして仮織りした織物に捺染を施し,よこ糸をほぐしながら本製織を行う工程を経る。ほぐし織はわが国では大正昭和期に着物柄として隆盛を極めたが現在は工業的な規模ではほとんど行われていない。織物整理業の有限会社金丸整理工業(見附市)は「経糸巻き取り装置とインクジェットプリントによる新規たて糸捺染織物の開発」を計画し平成19年度財団法人にいがた産業創造機構(NICO)のわざづくり支援事業に採択された。その概要は,製織用ビームに巻いたたて糸をインクジェットプリンタの動作に合わせて巻き取る装置を開発し,この装置でたて糸にインクジェットプリンタで捺染した後,製織,熱処理を行うことでたて糸捺染織物を得るものである。この装置およびこれを用いて得られる生産品には様々なメリットが期待される。まず,従来からのほぐし織との比較ではインクジェットプリンタによるため捺染の型が不要であること,仮織りとほぐしの工程がないことによりコストが低減できる。またほぐし織は着尺幅であるが当装置は広幅であるのでその点でも効率が高い。更に,たて糸捺染による表裏同柄の広幅織物自体が市場にないものであり,この特長からロールブラインドをはじめとしたインテリア資材等,産地として新たな商品展開が期待できる。本研究は当装置における染色についての適切な染色条件の検討と性能評価について開発を支援する目的で行ったものである。
 

資 料:

たて糸インクジェット捺染織物の開発支援.pdf(約249.18 Kバイト)