研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.38
 

報告書年度:

2009
 

研究種別:

創造的研究
 

テーマ名:

匠の技を継承し発展させる技能伝承支援システムの開発
 

副 題:


 

担当者:

五十嵐 晃(研究開発センター)
大野 宏(研究開発センター)
中部 昇(県央技術支援センター)
今泉 祥子(下越技術支援センター)
 

抄 録:

新潟県の中でも,とくに県央地区の金属製造業では,研磨や鍛造,溶接等,自動化や機械化が難しく,熟練技能者の技に大きく依存した製造工程であり,それらの技の伝承が大きな課題となっている。そこで,当所において平成19年度に,IT,センサ,計測技術を利用することにより,金属製品製造工程の中でも研磨工程における熟練技能者の技を初心者へ円滑に継承するための,技能伝承支援システムを考案し,その試作を行った。そこで得られた技術をもとに,本研究では,研磨工程の現場において,その場で作業状況が確認可能な技能伝承支援システムを考案し,その基礎技術を確立したので報告する。また,加工と同様に匠の技と言われる検査工程への本開発システムの適用可能性についても述べる。
 

緒 言:

様々な製造工程で重要な位置を占めている熟練作業者に蓄積されていたノウハウの継承が企業の大きな課題となっている。そこで,平成19年度の研究1)では,初期段階として,熟練技能者と初心者の作業についての計測可能性を確認する目的で,両者の作業の計測および,作業を経た製品の評価を行い,両者の結果に明らかな差異のあることを確認した。しかし,それらは計測後,オフラインでデータを解析を行った後にようやくわかったものであったため,作業現場でリアルタイムに評価結果がわかるシステムが求められていた。そこで本研究では,作業現場において,技能を短期間かつ高度に継承可能とすることを目的とした,新しい技能伝承支援システムの開発を行った。当該支援システムは,(1)作業計測システムと,(2)画像評価システムの2つから構成されている。本研究では,それらのシステムを作業現場において製造作業中に使用することを想定し,(1)作業計測システムでは,リアルタイムに計測結果を表示できる仕様とした。一方,(2)画像評価システムでは,熟練技能者の加工物(以下,ワークと表記)と初心者のワークの光沢のわずかな違いを強調する仕様とした。これらの2つのシステムをまとめて,研磨作業の技能伝承支援システムとし,その基礎技術を確立した。さらに,上述の成果を踏まえ,製造工程のみならず,検査工程における熟練技能者の技能継承の,県内企業における現状とニーズに関して調査を行った。そしてその調査結果をもとに,本研究成果である研磨作業の技能伝承支援システムの基礎技術を検査工程に適用することの有用性について検討を行った。
 

資 料:

匠の技を継承し発展させる技能伝承支援システムの開発.pdf(約580.77 Kバイト)