研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.38
 

報告書年度:

2009
 

研究種別:

創造的研究
 

テーマ名:

食品産業支援の化学チップ開発
 

副 題:


 

担当者:

永井 直人(下越技術支援センター)
笠原 勝次(下越技術支援センター)
平石 誠(研究開発センター)
 

抄 録:

プレート上にカバーグラスをかけその中に試料溶液を導入することでマランゴニ流,ポワズイユ流,乱流を発生させ試料成分の自己組織化を誘導して,プレート上に散逸構造のトレースを形成させる手法を開発した。このトレースに各種分析プローブを投入することで,混合物の組成を簡便に低コストで分析できるようになった。赤外,ラマン,TOF-SIMS,MALDI-TOF/MSなどによる検出を試みた結果を紹介する。
 

緒 言:

近年,食品異物や表示偽装などの「食の安全・安心」が注目されている。また,機能性食品といった食の高付加価値も注目されるようになっている。新潟県は高い食品ブランドを有しているが,今後,以上のような点に留意しつつ県内企業を科学的にサポートしていく必要があると考えられる。しかし,一昨年度発生した ギョーザ事件に見られるように加工食品は一般に多くの成分の混合物であり,その中から注目成分を取出して分析するのは非常に困難な問題である。さらに化学構造変化まで解析しようと思うと格段に難しくなる。これらの問題は分析装置にかける際の前処理で困難さの度合いが大きく変化する。そこで,我々は上記の問題に対応するために,主成分から微量成分まで分析可能で化学構造変化まで解析するための新しい前処理法の開発を行ってきた。さらに,食品産業ではこのような問題に時間とコストをかけることはできないので,迅速かつ低コストで実行できるシステムを構築することを考慮した。昨年度はカバープレートを斜めに配置しその中にサンプルと溶媒を挿入することで,マランゴニ流を発生させ表面張力の違いによってプレート上での吸着位置を変化させて分離する新しいシステムを提案し実証してきた。今年度は分離効率を上げるためにさらにメカニズムの考察を行い,本手法を適用して実施した例を紹介する。なお,本法は食品分野のみならず,工業,農業,医療・バイオなどの多くの分野に適用できることを目指した。
 

資 料:

食品産業支援の化学チップ開発.pdf(約747.19 Kバイト)