研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.42
 

報告書年度:

2013
 

研究種別:

その他
 

テーマ名:

超音波キャビテーション処理により形成される表面加工層の評価法に関する研究
 

副 題:


 

担当者:

県央技術支援センター 中川 昌幸
研究開発センター 林 成実
 

抄 録:

水中におけるキャビテーション崩壊圧を金属材料表面に作用させることにより,表面の塑性変形を引き起こし,圧縮残留応力を付与できることが示されている1)。類似したプロセスとしてショットピーニングなど,固体粒子を表面に衝突させ,表面に塑性変形を与える方法がある。
固体衝突による著しい塑性変形により形成された結晶粒破壊を伴う組織変化と比較すると,キャビテーション処理では,個々の気泡の衝撃圧は強力であるが,気泡サイズがショットに比べて非常に微細なため,金属顕微鏡観察では塑性流動層のような顕著な変形が認められず,表面残留応力付与や断面硬さ測定で間接的に評価されるにとどまっている。顕微鏡的に塑性変形のメカニズムが明らかでない一方で,SUS304 圧延薄板に対し超音波キャビテーション処理を施すことにより引張疲労強度を向上させる効果が実験的に示されている2)。
そこで,静的な強度向上に寄与するような結晶粒の微細化など組織変化ではなく,繰り返し動的負荷における疲労特性向上の効果が認められる微視的なひずみ状態の評価方法を検討した。
このような微視的なひずみは,動的再結晶などによる結晶粒の微細化の前段階である転位の増殖から2 次すべり系の活動による転位の絡み合い,さらには亜粒界などサブストラクチャー形成の段階と考えられ3)4),結晶粒内における微視的なひずみ領域の評価法が必要となる。
このような評価はTEM を用いることで可能と考えられるが,試料片の作製など観察に熟練が必要なこと,高分解能な反面,極微細な領域しか評価できないことから,より汎用的な方法が望まれる。
本研究では,このような微視ひずみ領域の評価法として,結晶塑性の初期段階である転位の増殖,すべり変形,サブストラクチャー形成に伴って起こる結晶方位の回転を捉えることが有効であると考えた。結晶方位の測定法としてEBSD による方位測定が挙げられるが,近年普及は進んでいるものの,まだ汎用的な分析方法とは言い難い。そこで, SEM のCOMPO 像,FIB のSIM 像による方位コントラスト観察とEBSD 解析を比較し,より簡便で汎用的な微視的加工層評価方法を検討した。
 

緒 言:


 

資 料:

24_H24報告書(ノート15).pdf(約346.04 Kバイト)