研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.38
 

報告書年度:

2009
 

研究種別:

政策型受託研究
 

テーマ名:

窒素吸収処理ステンレス鋼の開発
 

副 題:


 

担当者:

三浦 一真(研究開発センター)
小林 泰則(研究開発センター)
内藤 隆之(下越技術支援センター)
 

抄 録:

SUS445J2相当のFe-22mass%Cr-1mass%Moを用い,窒素吸収処理プロセスを開発した。素材を窒素雰囲気・高温で処理すると,表面部から窒素が固溶してオーステナイト相を形成することがわかった。短時間処理では中心部にフェライト相が残るが,処理時間を長くするとフェライト相は薄くなり,4hの処理でオーステナイト単相となった。窒素吸収処理材について耐孔食性を評価する孔食電位の測定や塩化第二鉄腐食試験を行ったところ,既存のステンレス鋼を大きく上回る耐食性を示した。
 

緒 言:

SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼(クロム(Cr)−ニッケル(Ni)系)は延性,強度,耐食性,耐熱性,低温靱性,などに優れ,溶接性も良好であることから家庭用品,建材,一般機械,産業機械,電気機器,医療用途,などに幅広く使用されている。Niを含まないフェライト系ステンレス鋼の中で18mass%Cr(以後mass%を省略)以上の高Cr系と呼ばれる鋼種については,SUS304や316などの代替材料になり得る素材と考えられている。しかし,塩水噴霧試験で評価した耐食性についてはSUS304や316と同等レベルにあるといわれるものの,強度などの機械的特性はやや劣り,磁性を有するため,同じ特性を有する材料とは言い難い。このような状況のもと,我々はFe-24Cr-2Mo(研究開発材,以後,Feを省略)の素材に窒素を1%強添加させることでオーステナイト系ステンレス鋼と同等以上の特性を有するNiを含まないNiフリーステンレス鋼の研究開発を行ってきた。本研究では,市場に流通している素材を用いた処理技術の開発を目的に24Cr-2Mo類似組成であるSUS445J2相当鋼を選定して窒素吸収処理を行い,金属組織解析や各種の分析を行って,オーステナイト相への変態挙動について調査した。さらに処理材の耐食性試験を行い,得られた結果について既存のステンレス鋼と比較した。
 

資 料:

窒素吸収処理ステンレス鋼の開発.pdf(約702.66 Kバイト)