研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.35
 

報告書年度:

2006
 

研究種別:

戦略技術開発研究
 

テーマ名:

MEMSプロセス技術の開発研究(第2報)
 

副 題:


 

担当者:

坂井 朋之(研究開発センター レーザー・ナノテク研究室)
宮口 孝司(   〃          〃      )       
佐藤 健 (   〃          〃      )
 

抄 録:

昨年度に続き,MEMSプロセス技術の開発を進めている。基本プロセスである微細パターン描画技術やエッチング加工技術の確立に加え,新たにMEMS製品の要素部品の設計・試作を行った。光通信部品については専用CADを用いて設計を行った。回折格子の試作では90nmピッチの溝パターンを形成した。スパッタリング装置により,アルミナ基板上に酸化スズを成膜し,ガスセンサを試作した。また,生体材料であるチタンの金属片表面に微細加工を施すプロセスも開発した。
 

緒 言:

「MEMS」はMicro Electro Mechanical Systemsの頭文字を並べたもので,「微小電気機械システム」と訳される。MEMSでは,数mm四方のシリコンチップ表面に,機械要素と制御用電子回路が,半導体製造技術などの微細加工技術によって作り込まれている。この構造は,各種センサに有効である。圧力や加速度を検知する機械要素と,データを処理して信号を出す電子回路を一体的,かつ超小型に製造できるので,様々な製品への設置が容易である。例えば,自動車は安全な走行を確保するために,油圧,水圧,ステアリング回転状態や車体の傾斜を検知し,制御する必要がある。このために各種のMEMSセンサが利用され始めている。なかでも衝突時にエアバッグを膨らませるための衝突センサ(加速度センサ)は非常に有名である。今後も新機能を持ったアプリケーションの開発が期待されている。また,携帯電話ではフルブラウザ用のポインティングデバイスを始め,様々な機能を付与するための位置・高度・加速度センサの利用が始まっている。MEMSの市場規模はすでに8千億円を超え,2010年には数兆円になると予測されているが,高額な初期投資が必要なことと,プロセス装置・技術が特殊であるという理由から,新潟県内でMEMSの製造を行う企業は少なく,生産量も限られたものになっている。また,県内大学における研究活動もあまり活発とは言えない状況にある。そこで,本研究はMEMSのプロセス技術を開発し,県内企業へ移転,普及することを目的としている1),2)。平成17年4月には,(財)にいがた産業創造機構が,ナノテク研究センターを設立し,MEMS装置を導入した。当所では,これら装置の立ち上げを行うと同時に,本研究を進めてきた。図1に当センターの機器を利用して,最初に試作した「マイクロ流路」を紹介する。これはバイオチップやDNAチップの要素部品となるものである。シリコンを10μm深さでドライエッチングしており,幅20μmの流路と70μmのカラムで構成され,カラムにはそれぞれ直径3,5,7μm径のマイクロフィルタを形成している。
 

資 料:

MEMSプロセス技術の開発研究(第2報).pdf(約330.46 Kバイト)