研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.28
 

報告書年度:

1999
 

研究種別:

実用研究
 

テーマ名:

超塑性成形によるチタン・チタン合金成形技術の高度化
 

副 題:


 

担当者:

山崎 栄一(下越技術支援センター)
 

抄 録:

大気中において、チタン合金同志を超塑性成形と同時に拡散接合し、一体化する成形法(超塑性成形/超塑性拡散接合)を試みた。使用したチタン合金はβrichα+β型チタン合金。加工温度(650℃〜800℃)、加工開始までの時間(10sec〜180sec)を変化させて成形試験を行い、接合強度と金属組織などを調べた。その結果、大気中での超塑性成形/超塑性拡散接合は可能であり、非常に良好な接合面を得られることがわかった。製品への応用も行い、打ち抜き材の積み重ねからなるプリフォーム(成形前の素材)の利用を可能にした。この成形技術により、打ち抜き加工と超塑性成形の組み合わせが実現し、成形加工全体にわたる大幅な工程短縮が可能である。
 

緒 言:

チタン・チタン合金製製品に対するニーズが高まるなか、超塑性現象を応用した加工技術の開発により成形性向上と工程短縮を可能にした1)2)3)。しかし、バリのつき具合・材料欠損・歩留まり等はプリフォーム(成形前の素材)の形状により大きく変化し、プリフォームが超塑性成形の良否を左右するということが実用化の障害になっている。製品形状が複雑であるほどプリフォームも複雑になり、その加工に要する時間や手間が増加し、超塑性成形のメリットを活かすことができない。そこで、図1に示すように、従来切削などで加工したプリフォームに代え、生産性に富む打ち抜き加工の利用を考えて打ち抜き板を積み重ねたプリフォームをつくり、これを大気中で超塑性成形と同時に一体化接合する成形法(超塑性成形/超塑性拡散接合)を試みた。
 一方、チタン合金を用いた超塑性成形と拡散接合の同時加工は、すでに航空宇宙産業分野で応用されている先端技術であるが、一般的には真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で行われている4)。本研究で取り上げる大気中における超塑性鍛造/超塑性拡散接合は今までに例のない加工技術であり、特殊な分野に限られていた先端技術を民生品分野へと拡大し、さらには新しい高付加価値製品を創出するための加工技術のひとつになり得る。
そこで、超塑性成形/超塑性拡散接合の可能性を調べるため、成形品の接合強度と金属組織学的な評価を行い、適正な加工条件を把握するとともに製品への応用も試みたので報告する。
 

資 料: