研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.27
 

報告書年度:

1998
 

研究種別:

提案公募型技術開発研究
 

テーマ名:

エコマテリアルとしての新潟県産海洋性多糖の機能化
 

副 題:


 

担当者:

鈴木 秀松(長岡技術科学大学 生物系)
木村 悟隆(〃)
宮下 美晴(〃)
 

抄 録:

 本研究は、「キチン1合成ポリマー新規複合体の作製」及び「新潟県産紅藻類多糖の分子構造とゲル化挙動」の二部よりなる。始めに,溶液凝固/塊状重合法により得られた,キチンと医療用高分子として知られるポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)の複合体は,DSCの熱分析及び固体CNMR測定より両成分が相溶していること,また動的粘弾性測定によりキチンのゲル構造と架橋PHEMAの網目が絡み合った相互侵入網目が形成されていることが示唆された。次に,エゴノリ及びアミクサより抽出された多糖は,共に寒天の主成分であるアガロースを基本骨格とするが,前者には硫酸基があるがメトキシル基ではなく,後者はその逆であること,重量平均分子量は前者の方が高いことが明らかとなった。
 

緒 言:

 甲殻動物(カニ・エビなど)の外殻を構成する成分であるキチンは,天然に大量に存在する有機資源であり、生体親和性や抗菌・抗カビ性を発現する機能性素材として,また生産・増殖が可能で生分解性のある環境適合性ポリマーとして,注目を集めている。しかしながら,実際にはキチンの材料としての利用は乏しく,原料となるカニ殻,エビ殻,イカの骨なども大部分がゴミとして捨てられているのが現状である。このような未利用の海産資源を実用に供していくための一手段として,異種高分子との微視的複合化が有効であると考えられる。
 本研究では,豊富な未利用海産資源の新たな用途開拓,および生体適合性と力学強度を兼ね備えた新規高分子材料の創製を目指し,キチン/合成ポリマー新規複合体の作製に取り組んだ。キチンの複合対成分としては,親水性に優れ医療用材料として利用されているポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)を選択した。また,複合化の方法として,ごく最近我々の研究グループが提案した溶液凝固/塊状重合法を利用し,相互侵入高分子網目(IPN)と呼ばれるコンポジットの作製を試みた。
 

資 料: