研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.27
 

報告書年度:

1998
 

研究種別:

信越スーパーテクノゾーン推進研究
 

テーマ名:

レーザを利用した表面改質及び微細加工工程の省エネルギー化研究
 

副 題:

YAGレーザによるアルミニウムの表面改質
 

担当者:

吉田 正樹(中越技術支援センター)
平石 誠(研究開発センター(レーザ応用研究室)
吉野 武美(〃)
 

抄 録:

 レーザを照射することにより溶融したアルミニウム表面に硬質粒子を分散させ,耐摩耗性の向上を図った。添加材料には,セラミックス等の硬質粒子としてWC-Co,TiC,また金属系ではCu,Tiを用いた。供給方法には,添加粒子の大きさ,密度に依存した適性があり,また板材として供給した場合に高い添加効率が得られた。硬質粒子を用いた場合は粒子の改質層内への分散により,一方金属添加では金属間化合物が生成することにより硬質の改質層が得られた。改質層の耐摩耗性は時効処理後の高力アルミニウムに比して優れた値を示した。
 

緒 言:

 Al合金は,多くの優れた材料特性を有し,機械・工業的観点からは,耐食性に優れる ・比強度が高い ・加工性がよい ・熱,電気の伝導率が高い ・低温下で靭性低下がない ・非磁性である等,また資源・環境的立場からもリサイクル性が良いことなどから,近年,機械部品等に広く利用されている。
 しかしながら,Al合金を機械の可動部や摺動部に用いた場合,摩耗損傷の問題がしばしば生ずる。Al合金の耐摩耗性向上策として,陽極酸化処理,硬質クロムメッキ,PVDなどがあるが,いずれも膜厚は10μm程度と薄く膜自体の強度は小さいことから,高面圧がかかる摺動面などでは膜の破壊や剥離が生じる。また,耐摩耗性を確保する目的であえて鍛造性の悪い高力アルミニウムを用いることもある。勿論,上記のような膜の破壊等の問題は生じないものの,鍛造後に引け巣の補修作業を行う必要があり作業効率は極めて悪い。そこで本研究では,Al合金表面の耐摩耗性が要求される部位にのみ,かつ,充分な厚さを持った耐摩耗層を形成することを目的とし,その方法として,高密度エネルギーを入熱できるレーザを用いて,金属元素あるいは硬質粒子を添加することにより硬質の合金層を形成することを試みた。
 

資 料: