研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.43
 

報告書年度:

2014
 

研究種別:

その他
 

テーマ名:

マランゴニ流を利用した新しい簡易分離分析手法の開発
 

副 題:


 

担当者:

岡田 英樹(下越技術支援センター)
永井 直人(下越技術支援センター)
 

抄 録:

工業製品におけるトラブルや食品の混入異物の分析のスクリーニングレベルの向上を目指し,マランゴニ流でサンプル溶液を駆動して,分離をアシストする新しい簡易分離技術を開発した。イメージングシステム,ケモメトリックスを活用することによって,分離が難しい成分を分けることができた。
また,溶液を展開する基板材料は高価な金ミラーを使用しているが,代替として県内企業の技術である電解複合研磨によって鏡面化したアルミニウムやステンレス鋼の利用が可能であることが分かった。ただし,金ミラーに比べて取り扱いに注意が必要であった。
 

緒 言:

県内企業からの依頼試験において複雑な混合物の組成や混入異物の問い合わせは非常に多い。これらは一見地味であるが,ものづくり企業を支え,食品の安全・安心などの面で国民生活の基盤整備の観点から極めて重要である。その中で,分離分析の果たす役割は大きく,GC やLC など分析感度も高い。しかし,分離分析では前処理で夾雑物を取り除き,混入物の推測ができているものが分析試料としては適しており,素性が分からないサンプルの場合,分析が困難となってくる。このようなサンプルに対しては,赤外分光分析などで当たりをつける必要があるが,ベテランの分析者でもせいぜい2,3 種の成分の存在を判定できる程度で,0.1〜1%くらいの混入成分を同定することは難しい。
顕微赤外分光法は感度が高く,スポットにピコグラム(pg)あれば十分物質の同定が可能なシグナルが得られる。分離・濃縮展開することができれば,分光分析を使ってこのような素性が分からないサンプルのスクリーニングレベルを向上させることができる。
近年,ナノテクノロジーを使って基板上に流路を作成して分離・分析することも試みられ,この分野は大きな進展を見ている。しかしながら,基板の作成には大きなコストがかかり,医療分野などハイエンド向けが大部分である。一方,工業製品のトラブルや食品混入成分分析には,あまりコストをかけることはできないが,継続的に強いニーズが存在している。低コストで分離・濃縮する手法があれば,このようなニーズにも対応することができる。
これまで我々は中小企業や食品メーカが直面しているトラブル・クレーム・混入異物を効率的に分析して安価に情報を提供するための簡易分離分析法を開発してきた1, 2)。この評価が多くの分析機関で行われ,効率的に工業製品分析・食品異物分析が可能となることが目標である。併せて県内企業の保有する電解複合研磨技術の新しい応用利用分野を拡大することも目指す。主要な開発課題としては,(1)分離技術の省力化(イメージングシステムによる赤外分光分析・ラマン分光分析),(2)数学的(多変量解析等)および物理的処理による分離性能向上,(3)電解複合研磨を利用した低コスト化,以上の3 点について検討した。電解複合研磨の低残渣化,酸化被膜層の極薄化については新潟県内企業の(株)中野科学と連携して行った。
 

資 料:

3_H25報告書(論文3)(マランゴニ流).pdf3_H25報告書(論文3)(マランゴニ流).pdf(約453.49 Kバイト)