研 究 報 告 書

報告書名:

工業技術研究報告書
 

報告書番号:

No.28
 

報告書年度:

1999
 

研究種別:

提案公募型技術開発研究
 

テーマ名:

新潟県食品産業廃棄汚泥処理用の故紙混入法縦型汚泥発酵槽の研究
 

副 題:


 

担当者:

堀 秀隆(新潟大学大学院自然科学研究科)
岩渕 健一(新潟大学大学院自然科学研究科)
三ツ井 敏明(新潟大学大学院自然科学研究科)
 

抄 録:

(1).80%の高含水率の有機汚泥に故紙を混合し縦型の発酵槽に投入し、非加温空気(10℃)を毎分40L送風する事で、70℃の高温発酵を1〜2日の内に開始することが出来た。(2).60℃以上の高温発酵は3日間持続し、現行法で最も優れている、オガクズ混合の場合よりも長く持続した。(3).発酵槽内3点の温度変化を積算したトータル発酵槽温度に於いてはオガクズ混合法に比較し2倍弱の高い発酵温度を示し、故紙混合法の優れていることが示された。(4).減容率を示す汚泥の高さの減少は、オガクズ混合槽では4日間で10%減少しただけだが、故紙混合発酵槽では30%も減少し減容量は圧倒的にオガクズ混合槽を凌駕した。(5).臭気官能試験で故紙混合汚泥は非混合脱水汚泥に比較し3倍以上低臭気であることが示された。(6).故紙混入法縦型汚泥発酵槽は発酵温度、槽内積算温度、減容率においてオガクズ混合発酵法より優れ、故紙混合縦型発酵槽の工業化の可能性を示すことが出来た。
 

緒 言:

産業廃棄汚泥の焼却廃棄を転換しコンポスト等への再利用が求められている。従来の汚泥発酵法は脱水の為に汚泥の重量比30%程度のモミガラ・オガクズなどの水分調整材を投入する。この為好気発酵はなかなか進まない上に、次々と新しい汚泥を投入処理するために汚泥を少しずつ移送し、30m程の長大な発酵槽を必要とする。汚泥を後方へ移送するシステムは、折角高まった発酵熱を攪拌消失させ再び低温から徐々に発酵が開始されるという行程を繰り返すという致命的構造的欠陥を有する。従って、発酵は遅く1次発酵に約12日、2次発酵に2ヶ月を費やしコンポストが完成する。また現行の横長発酵槽は、自走式の攪拌機が往復するための騒音と嫌気発酵のための臭気が伴う欠点もある。
 著者らの一人岩渕は、有機廃棄汚泥に5%(重量比)の紙を混入すると、80%程度の高水分含量で発酵が好気的に、且つ無臭的に始まり、1次発酵10日、2次発酵10日程で発酵が完了する事を発見し工業所有権を得た(参考文献参照)。
 本研究はこの故紙混入法を基礎に、自走式攪拌を必要としない、無騒音で設置規模が非常に小さい縦型高速発酵槽を開発するための基礎研究を展開することである。我々の目指す新しい発酵槽は、県下の食品産業が発生する汚泥を発生現場で処理する事を可能にし、しかも食品汚泥という入り口で安全な産業廃棄物に、故紙だけを添加し、出口で安全なコンポストを作製する物である。更に我々の研究する故紙混合法は、故紙の無限的リサイクルにも道を開く物である。
 

資 料: